菌（微生物）はあらゆるところにいます。

土のなか数～数十キロ下にも私たちが想像している以上に存在しています。例えばわれわれ人間の体内に腸内細菌として1人に100兆個以上生息しています。

また、人間は菌を利用して発酵食品を作っています。納豆菌、乳酸菌など。

O-157大腸菌で小学生が亡くなった時も清潔すぎる環境が問題ともいわれました。O-157自体は他の細菌に対して弱い細菌できれいにしすぎると増殖してしまうからです。毒を持って毒を制す、でしょうか。

かつて人間は宇宙に進出して宇宙空間で生きていくことはできるのかという実験（バイオスフィア2nd）がありました。砂漠の中の巨大な閉鎖された空間で地球と同じ環境を作り、つまり陸と海を3：7の割合でつくり、熱帯雨林・乾燥帯・温帯・寒帯の植物と動物を用意して人類70億人（当時）に相当する科学者8人が2年交代の生活（2年間実験施設から出てこれない）した実験は当初は10年の予定でしたが、2年で失敗に終わりました。ゴミ（有機物）だらけになったためです。この実験では我々が想像しているよりかなり細菌の数が多くなければ地球環境は維持できないと分かったのです。

じつは女性が住宅や生活用品をきれいにしすぎている事を苦々しく思っていました。部屋をきれいに掃除することは良しとして、さらに除菌のためにアルコールで拭いたり、スプレーをかけたり。

ドラックストアなどの除菌・抗菌商品を見るたびに「あらゆる生物とともに生きている環境でひどく清潔にしすぎることはやりすぎではないか？」

抗菌まな板、抗菌歯ブラシはまだしも抗菌シャツ、抗菌シューズなどはやりすぎだ！と思っていました。

塾長は最近、塾の扉のドアノブをアルコール消毒するたびに「この拭き掃除で多くの微生物を殺しているな、でもコロナウィルスのために仕方ないな、女性の方が正しかったな、負けたな」と思っています。（ウィルスは生物学上、生物ではありませんが）

また、コロナ対策で扉のドアノブを除菌ウエットティッシュで拭くことが毎日できなくて、女性が欠かさず毎日のように掃除することの大変さを知りました。毎日の掃除の大変さも知って自分の間違いだったと感じているわけです。完敗です（笑）。