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国語の上手な勉強法

2024.12.03

 

国語ができる人って言葉をたくさん知っていますよね。ここでは効果的な語彙力の増やし方をお伝えできたらと思います。

言葉の増やし方
一昔前なら「紙の辞書を引け」と言われました。もちろん紙辞書にしかないすばらしさというのがあります。国語教師としてその素晴らしさは重々承知です。ですが、言葉をあまり知らない段階ではハードルが高いのも事実。ですから、「紙辞書をひかなければならない」と「ねばならない思考」を止めて、「ググればいい」と思ってください。例を挙げてみます。

方法1 本を読む
「君は今とうとうと熱弁をふるったが、しかしどうだね、……」
(ドストエフスキー『罪と罰』)

「この『と』と『う』だけの言葉はなんなんだろう?」と思ったとします。そうしたらググってみます。すると、

「次から次へとよどみなく話すさま」

と出てきます。
なるほど、となります(もし「よどみなく」が分からなければまた調べる)。そしてできたらこの調べた言葉を自分で使ってみることです。簡単な例でいいんです。

先生は自慢話をとうとうと話す。

この程度でいいんです。これだけでアクティブワード(自分が自由に使える語彙)化できます。言葉には「アクティブワード」と「パッシブワード」の二種類があります。パッシブワードは「受動的語彙」ですから読んだり聞いたりしたときに理解できるものです。一方、アクティブワードとは「能動的語彙」ですから、書いたり話したりする言葉のこと。知らない言葉はこのどちらにも属していません。単なる音の羅列です。それをまず、パッシブワードにする。つまり、「調べる」です。けど、ここで終わってしまうともったいない。どうせなら作文などで使えるアクティブワードにしたいものです。また、イメージが分からない言葉は画像検索できるのがグーグルの強みです。例えば「えんじ色」ってイメージわきますか。色彩語彙などはイメージ検索の強みです。では「青筋を立てる」はどうでしょう。ぜひ、画像検索してみてください。

方法2 大人と話す
大人の語彙は必然的に高いものです。ですから大人と話すと自然と言葉が増えていきます。その点、一番のオススメは教師としゃべることです。教師が話していて「今の言葉なんだろう?」って思ったらその場で聞いてみる。教師は教えるのが大好きですから、とうとうと語ってくれます。

 

読解力のつけ方

普段の読書は自由に読んで構いませんが、国語の問題を解くとなると勝手が違ってきます。具体的には「大事なところに線を引きながら読む」ことです。けど、その大事なところが分からないとなりますよね。大丈夫です。論理マーカーに注目して論理マーカーを含むところに線を引けばいいのです。論理マーカーとは「具体例」「対比」「要約」「強調」「逆接」などを表す言葉たちです。ここでは「要約」の働きを持つ「つまり」「このような(に)」の力を体感しましょう。

自由主義的思想にはありと凡ゆる観念内容が這入り得るのだったから、仮にその観念内容を理論的な哲学体系にまで組織したとして、果してその体系が、依然として「自由主義」という名目に値いするかどうかが、保証の限りではないからである。つまりそれ程、自由主義思想の観念内容は雑多で自由なのである。
(戸坂潤『日本イデオロギー論』)
これをすべて理解するには相当の力が要ります。しかし、すべてを「理解」しようとしなくていいんです。「大事な部分」を「拾い上げる」だけでいい。戸坂氏はいろいろと難しいことを言っていますが、「つまり」いかに注目しましょう。そうすると、「それ程、自由主義思想の観念内容は雑多で自由なのである」とあります。そう、この文章は「自由主義思想の考え方って自由」ってことが言いたいだけです。

自分等のようなものが絵の展覧会を見るのは、何時でも絵を見て楽しむためである。だから、如何に評判の絵でも、自分に興味のないものは一度きりで見ないで済むし、気に入った絵なら誰に気兼ねもなく何遍でも見て楽しむことが出来る。このような純粋な享楽は吾々素人に許された特典のようなものである。
(寺田寅彦「二科会展覧会雑感」)

「このような(に)」という指示語も、文章をまとめる力を持っています。この文章では「絵を純粋な享楽として見るのは素人特権」というのが筆者の主張です。

読解力とは、「筆者の主張を正しくとらえる力」です。入試を作る高校や大学としては、「この受験生は筆者の主張を正しくとらえられているか、自分の主観を交えて曲解していないか」ということが知りたい。だから入試ではそこを問うてきます。逆に言えば、論理マーカーに注目して線を引きながら読み進め、筆者の主張とそれをサポートする文とを分けるということができれば、それは読解力があると言えます。大事な5つのおさえどころをまとめます。今後の学びの参考にしていただきたいと思います。

「具体例」……具体例自体が大事なのではない。その前後に筆者の主張がある。
「対比」……何と何が比べられ、同じなのか違うのかを読み取る。
「要約」……「つまり」や「ようするに」などの後に筆者の主張が来やすい。
「強調」……「これこそ」「重要である」など、筆者が強調しているところは伝えたいところ。
「逆接」……「だが」「しかし」など逆接のあとは主張が来やすい。

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