2019.02.09
公立高校の入試改革が始まり5年が経過しました。
5年が経過することによって判明してきたことを書いていきます。
たとえが良いかどうかわかりませんが、公立高校入試は戦国時代に突入しました。
ここでは京都乙訓地域の公立高校の普通科、特に中期選抜を中心にお伝えしてゆきます。
ポイントは公立高校中期選抜で合格するには内申点アップが欠かせないことです。
改革から5年が経過し、京都乙訓地域の公立高校普通科はおよそ3つのグループ群に分かれたとお考えいただきますとイメージがつかみやすいと思います。
第1グループ(通知表4.0~5)
堀川、嵯峨野、桃山、山城、鳥羽
第2グループ(通知表3.3~4.0)
紫野、日吉ヶ丘、桂、洛西、塔南
第3グループ(通知表2.6~3.3)
乙訓、北陵、北嵯峨、西乙訓、向陽、朱雀、東稜、洛東、洛水
(末尾の数値は通知表の平均点であくまで目安です。通知表の合計数を9で割った数値)
第3グループの高校が多いのはこの付近の成績を取る人数のボリュームゾーンだからです。
重要なことは内申点でグループ化されていることです。
お子様にマッチした志望高校はどのグループでしょうか。
公立高校普通科定員の70%が中期で決まりますので3月の中期選抜が大切であるとお分かりいただけると思います。
中期選抜入試では内申点と入試得点の合計で合否を決めます。
内申点は学年末の主要5科(英語、数学、国語、理科、社会)を1倍、実技4科(音楽、美術、体育、技術家庭)を2倍して3年間の合計で195点満点(三者懇談の資料にもし65Rとありましたらこの得点です)
入試得点は40点満点×5科目で200点満点とします。
内申195点と当日点200点ですから比重はほぼ1:1と考えてよいと思います。
しかし、受験指導をしている当事者としましてこの比重は1:1と同じではありません。
内申点が良い生徒は入試得点も良い点数を取るからです。
つまり、内申点は2重の重みをもっています。
内申点が良い生徒は当日点も良いですから、合格がさらに近づきます。
内申点で差をつけられた生徒は入試得点で内申の離れた分を埋めた後、さらにそのライバルを引き離す点を取らなければ合格しないのです。
内申点を日頃から上げることに注意しておかなければ不利な状況で戦いを進めていかなければならないことになります。
具体的に説明をさせていただきますと
3年間オール3の生徒は内申点117点になります。
公立高校のデータを見ておりますとオール3の生徒は入試得点がおおよそ85~105点の中に納まります。
つまり、多くのオール3の生徒は内申117点と当日点が85~105点の合計202点~222点に納まることを意味します。
合格ラインが決まれば生徒が志望校を合格するかどうか決まるわけです。
対して3年間オール3.5の生徒は内申点が136点になり、
当日の入試得点はおおよそ105~130点を取り、合計点は241~266点あたりにおおよそ落ちつきます。
通知表が0.5高ければその分入試得点もよくなり内申の低い生徒より1倍の差ではなくさらに広がり1.26倍の差をつけられるわけです。(120÷95≒1.26)
学校の定期テストの対策も当塾では長時間のテスト対策(無料)を行っていますが、それはこういった背景があるからです。実技4科についてテスト対策を考えている理由です。
この実技4科の対策が内申アップのコツです。教科書の厚さを見ていただければ実技の成績が上げやすいことがわかります。
さらに申しますと当塾の中3冬期講習会では志望校別特訓を行っています。ここで志望校の過去問題4年分を解いてもらいます。その結果から受験生の実力を測れば2か月後の入試で何点取れるかはおおよそ判明します。
受験対策ではこの結果を武器に本人の得意科目、不得意科目の分析を加味して一人ひとりに合った最適戦略を立てるわけです。
京都乙訓地域のどの高校にも出願してよいという5年前の改革は次のようなことも引き起こしています。
高校の先生方の教務力が向上したことです。それまで優秀な生徒とやんちゃな生徒が混在していて、
一部の生徒のために先生方は生活指導に追われて疲れていました。時には授業崩壊していました。
しかし生徒の学力が均一化することで生活指導から解放され大学受験を主とした生徒の学力向上に力を発揮できるようになった。
すでに複数の高校で大学受験実績が明らかに向上しています。
大学合格実績が上がればその高校はさらに人気化し、ますます志望者が増えます。
京都の公立高校の受験の様相は戦国時代に突入した、このように形容できるわけです。
まとめますと
自分に適した志望高校に合格するため
内申点+入試得点=合計点ではなく
内申が良ければ入試得点も上がるわけですから公立高校受験では
内申点×1.26+入試得点=合計点
です
これをお伝えして、自分に合った高校選びをしてほしいとおもっています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
山科個別指導教室 木村